強化張りとは
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これから三線を始めたいというかたへ
知ってましたか?
三線の胴は破れるんですよ。
本皮にはメンテナンスが必要
ご存知でしたでしょうか?三線の胴にはニシキヘビの皮が木枠の両面に張り合わされています。
通常、本皮一枚張り(本張り)の三線は2〜3年で破れたり、緩んだりしますので張替えが必要になります。
弾かないでいると半年以内で破れてしまうこともあるんです。
もちろん、張り具合や、使用される環境、皮の質などによっては5年〜10年〜と破れないでいることもありますが、
弾いていれば、破れないという意味ではありません。弾いていないより、よく弾いているほうがメンテナンス的によいという意味で、よく弾いていても破れてしまうことはあります。
強く張ると響きのよい三線になるのですが、その分破れやすくなります。
一概には言えないのですが、破れてしまうことは、しっかり皮を張った証拠でもあるんですね。
改めまして、こんにちは!池武当新垣三線店ホームページ担当の新垣茂と申します。
ここでは、三線をこれから始めるあなたに、知っていてほしいなと思うことをお伝えしようと思います。
さきほどは、いきなりショッキングな画像で申し訳ありませんでした。
そうです、三線は基本的には張替えが必要な楽器なんですね。
もちろん、破れてしまった場合には、張り替えればよいだけなんですが、それ相当にお金がかかってしまいます。
当店では、片面(表面)15,000円(裏面)10,000円〜を目安に張り替えることができます。
ただ、これから始められる方にとっては、また沖縄県外にお住まいでなかなかお店に修理に持ち込むことがむずかしいという方には、「破れてしまうのはちょっと…」と考える人は少なくないと思います。
人工皮というものもあるのですが…
そこで、人工皮というものが出てくるんですが、これは、蛇皮の模様がプリントされているナイロンのシートを張り合わせたものです。
確かに耐久性は半永久的なのですが、基本的に硬めの音質と均一なシートを使用していますので、
独特の質感の音に飽きがきてしまう、という声もあります。
また、プリントされた蛇皮の模様も味気ない感じがするということで、結局、本皮の三線に切り替えるという人も多いです。
遠目にはわかりにくいですが、近づいてみてみると↓…
この違い、わかります?
「やっぱり初心者だから、本皮の三線を使ってみたいけど、メンテナンスとか難しいのかなぁ」というあなたには!
「開発より27年あまり今では、業界標準にまでなった…本皮なのにメンテナンスフリー!初心者の方にも安心、上級者にも納得の本蛇皮強化張り三線をおすすめいたします。」
人工皮並に耐久性を高めた、池武当新垣三線店独自の特許技術製作された三線です。
また、通常、合成繊維だけだとカタイ音質になるのですが、
本皮を使用することによって、本来のやわらかな音質をつくることに成功。
音質の面においても本張り三線と遜色のない仕上がりです。
さらに、皮1枚1枚の違いがありますので、どれひとつとして全く同じものはなく個性のある三線が出来上がります。
まさに本張り並の音質と見た目に、人工皮並の耐久性の三線です。
以前は、(実は、強化張りを知らない人は、今でも…)「初心者は人工皮の三線から」というのが定番だったのですが、
当店が強化張り三線を世に出してからは、初心者の方でも安心して使える三線の「新定番」になりました。
これから、始められるあなたに、あなただけのオンリーワンの三線をお気軽にお使いいただけるようになったのです。
日本音響学会でも発表された、本皮一枚張りと強化張りの違いとは?
「本張り並の音質?うそくさいな〜。」
そうお感じになられる方も少なくないかと思います。
当店の強化張り三線が本張り三線と遜色のないことを、裏付ける確かな証拠があります。
1999年、電気通信大学の助教授 高澤嘉光先生と三線研究家の仲宗根松夫さんが
当店の本張り三線と強化張り三線を比較し調査しました。
その結果を、
『三線(沖縄三味線)の発音機構について(第三報)−蛇皮の裏張り補強布が音色に及ぼす影響−』(日本音響学会講演論文集1999年3月)において
「両者の明確な違いを見つけ出すことは出来ない」と報告しています。
↓クリックすると論文集のPDFファイルがひらきます。
高澤先生は、世界で始めて、コンピューターにピアノ協奏曲を演奏させた方で、その後コンピューターを駆使し音、特に楽器の音の解明を追求されている方です。
プロフィール
{1942年、石川県生まれ。66年、東京大学工学部計数工学科卒業。同大学大学院、助手を経て、72年、山梨大学工学部計算機科学科助教授に就任。計算機による楽器の自動演奏などを研究する。83年、テレビ朝日の「題名のない音楽会」で、世界ではじめてのコンピュータによるピアノの自動演奏でベートーベン/ピアノ協奏曲第5番「皇帝」を東京交響楽団と共演する。研究分野は電算機科学、音楽音響学。著書に岩波講座情報科学『電子計算機への手引』などがある。80年より電気通信大学助教授(ご退任されました。)};
『【日本発】 トップを切る科学者たち』
水木 楊著 チクマ秀版社
四六判上製 定価本体1,600円(税別)
に音のスペシャリストとして紹介されています。
さてさて、論より証拠、実際に聴いてみてください。
どれが本張りで、どれが強化張りだと思いますか?
まずはお聴きください。
※高音が良く響く三線を使用しております。お使いのコンピューター上の再生状況によっては、音が割れるように聴こえる場合がございます。ボリュームを下げて再生してみてくださいね。
答え合わせです。上の動画が強化張り三線で、下が本張り三線でした。
いかがでしたか?どれがどれか言い当てられましたか?
ご心配なく、つくった職人でさえ、間違えてしまうほどですから。
もちろん、本皮を使用しておりますので、皮の厚みや、張り具合により、個性が違ってきますので、全く同じ音ではありません。
また、きちんとしたスタジオで録音したわけではないので、音質が硬く聴こえることがありますが、本張りと強化張りの音の差を少しでも感じていただけたら、うれしいです。
本蛇皮強化張り開発のきっかけ
ひょんなことから三線製作の世界に入った、当店代表・新垣喜盛は、三線の棹の製作に情熱を傾ける一方で、
くさび打ちによる伝統的な皮張り作業に疑問をいだきます。
- -皮張り作業の準備作業が非常に手間がかかる
- -ムラのある皮張りでは良い音質が得られない
- -皮張り時の破れ等、ロスが大きい
また、お客様の要望にスピーディに、効率よく答えるためには、新しい製作技術を考案しなくてはなりませんでした。
そこで、喜盛は創業時から、くさび張りではなく、ジャッキによる皮張り作業を試みました。
今では、ほとんどの三線店で、このジャッキによる皮張り作業が行われているのですが、当時はまだ先駆けでした。
もちろん、効率を重視しただけで、三線が鳴るようにならなければ、意味がありません。
三線の音色の決め手になるのが、皮張り技術です。
どのように皮張りすれば、抜けのよい音になるのか試行錯誤を繰り返しました。
皮を強く張ることによって、高音が良く響き、抜けの良い音になるのです。
もちろん、お客様のお好みに合わせるのが基本ですが、
”しっかりと皮を張ることが三線職人の腕の見せ所”でもあります。
しかしながら、強く皮張りすると、皮が破れるのも早く、熟練の職人でも製作過程で皮が破れてしまうことはよくあることなのです。
当時すでに、人工皮が普及していたのですが、なんとかして本皮のまま、耐久性をよくすることはできないかと、再び試行錯誤。
そこで、布で補強することを思いついたのです。
数十種類の布を試した結果、
土木用のシートなどに用いられる、合成繊維で織られた人造布が最適であることがわかりました。
厳選したシートをチーガ(木枠)に張り付け補強したのち、ニシキヘビの皮を上から張り合わせることで
作業時の皮の破損が激減し、完成後も耐久性が非常に高い三線に仕上がりました。
当店では、従来の本皮一枚張りを本張りと呼ぶのに対して、この新しい技術を本蛇皮強化張りと名づけました。
また、この技術による新たな恩恵も受けられるようになりました。
- 蛇皮の有効利用
- 音質の変化が少ない
強化張りは人造布と本皮を二重に張り合わせるため、蛇皮を薄くしたほうがよく、
従来、皮張りが難しく捨てていた、首皮とよばれる蛇の頭に近い部分の、有効利用が可能になったのです。
強化張りは、ただ単に破れないというだけでなく、音質の変化が少ないということも恩恵のひとつです。
通常、本張りは皮の破れがない場合、どんどん皮が緩んでいき、ボワーンとした文字通り「張りのない」音になるのですが
強化張りはご購入時の音を長くキープできるのです。
この画期的な技術を発明した喜盛は、1991年『三味線製造方法及び装置』として、特許を出願。
特許出願番号 ”特許出願平3−314989”
特許公開番号 ”特許公開平5−150765”
1993年6月特許が公開されるまでに、1992年に「沖縄県中小企業製品開発費」という名目で沖縄県の補助を受け、さらに改良。
1993年4月には「琉球三味線蛇皮張り技能の改善に関する研究」として沖縄県に報告しました。
平成3年
社団法人発明協会沖縄県支部
第20回沖縄県発明くふう展
支部長賞 琉球三味線蛇皮張り加工機
平成4年
第15回沖縄市産業まつり
最優秀賞 琉球三味線蛇皮張り加工機
平成5年
第16回沖縄市産業まつり
優秀賞 三味線用本蛇皮強化加工
なぜ特許を取得しなかったのか?
通常、業界で画期的な発明を完成させたら、特許を取得するのが普通です。
特許を取得することによって、「当店だけ!」と独占的に使用することができるからです。
しかしながら、当店は特許を取得するに至っておりません。
その理由は
- 特許料を上乗せしたくなかった。
特許を申請し、取得するには多額の経費が必要になります。
特許を取得したのちも20年にわたって、特許料を支払わなければなりません。
強化張りの技術によって、皮のロスも少なくなるのですが、特許料を上乗せしてしまっては、意味がありません。
人造布の強化張り作業の手間と、資材分を加えても、従来の本皮一枚張りより安く仕上がるのはそのためです。
- 当店だけしか作れないとなると業界自体が発展しない
開発した当時、三線はまだまだ沖縄の人と一部の”通”の人たちだけのものでした。
三線を普及させていくには、業界自体の生産量を上げていく必要がありました。
強化張りの技術を当店だけしか使えないとなると、業界が発展しません。
三線の普及のために、あえて当店は特許を取得しないという選択をしました。
それでは、なぜ、特許を出願したかというと、そうすることより、他の業者が特許を取得し、独占することを防ぐ、いわゆる「防衛的特許出願」だったのです。
- 沖縄県の補助金を受けたこと
当店代表・新垣喜盛が強化張りの発明について語るとき、特許を申請したことよりも、沖縄県の補助を受けたことを強調しています。
いわば沖縄県のお墨付きを得て改良できたことを、感謝し、誇りに感じているのです。
その気持ちを、三線を普及させることで還元しようというのが当店の理念になり、特許技術の公開のみにとどまることにつながっているのです。
以上の理由で、当店は特許を取得しませんでした。
もちろん、特許を取得することは、次の開発につながる上で非常に大切なことです。
また、この技術を利用するライバルを増やすことは、いばらの道を行くことになりかねませんでした。
それでも、特許を取得しなかった最大の理由は
池武当新垣三線店の音を出せるのは私たちだけだ、という自信です。
実際、三線は個性の出る楽器で、そのお店の音というものがあります。
創業者の新垣喜盛はじめ、池武当新垣三線店の職人たちは演奏家ではありませんが、
だからこそ、固定観念を抜きに、楽器としてクオリティーの高い三線を生みだせるんです。
初心者でも安心、中・上級者でも納得!
元祖!本蛇皮強化張り三線で
三線ライフをスタートしませんか?
当店の本蛇皮強化張り三線はこんなあなたに適しています。
初めてでも本蛇皮の三線が使いたい
はじめてでも遠慮はいりません!本蛇皮本来の深みのある音色、本格的な仕上がりの三線をお使いいただけます。
県外におすまいで三線のメンテナンスに不安があるあなた
皮の破れる心配がないので、特別なメンテナンスもなく、長くご使用いただけます。
お仕事が忙しく、毎日は弾けないというあなた
本張り三線はよく弾いて皮を振動させないと、すぐに破れてしまうことがありますが、
強化張り三線は、破れる心配がないからご自分のペースで三線の練習に取り組めます。
リーズナブルな値段で三線を手に入れたいあなた
強化張りのパイオニアメーカーでありながら、当店の三線はとてもリーズナブルなお値段です。
三線単品だけでもご購入いただけますが、ケースやバチ、そのほか教則本等のセット価格だと、さらにお得にお求めいただけます。
お教室に持っていっても、恥ずかしくない三線がほしいあなた
教室やサークルに行って、先生や仲間に三線をほめてもらえると、かわいいわが子をほめてもらったようで、すごく嬉しいです。
そんな自慢になる三線をあなたに使っていただきたいと思っています。
できるだけ長く三線とつきあいたいというあなた
当店の強化張り三線は、耐久性もさることながら、音質の面でも飽きることなく、長く使用できます。
愛着の持てる三線になること、間違いなしです。
とりあえず三線を始めたいというあなた
あれこれ迷っても、結局やらなきゃ始まらないですよね。
「とりあえず」はじめたいというあなたにもおすすめできる三線です。
極寒の地?にお住まいのあなた
当店の三線は北海道などの北国でも、破れることなくお使いいただいております。
人間が、住めるところであれば、どこでも大丈夫です。
すでに人工皮の三線をお持ちのあなた
2挺めの三線として、当店の強化張り三線はいかがですか
きっと、お手持ちの三線とは違った雰囲気を楽しめると思いますよ。
しかも、メンテナンスの手間いらずというのは、同じままです。
すでに他店強化張り三線を使ってみたが、満足でない方
元祖・強化張りの新垣の仕事を、お試しください。
きっとお役にたてると信じております。
新垣三線をお使いのお客様の声、感想をお聞きください。
新垣さんこんにちは。ごぶさたしております。
三線、購入してから、少しずつでも毎日弾くようにしてます。
何時間も弾いてしまって時間を忘れるときもあります。
弦楽器は他にも色々やってたんですが、今までで、三線が一番ハマッてるかも…です。
友人にもひとり5〜6年前から三線を弾いてるのがいるんですが(ちなみにその三線は皮破れ中…)、
私のを見てうらやましがってます。「この音でその値段!」と…。また、今年中には無理ですが、できるだけ早く那覇に行きたいと思ってます!
(京都府 木村様)
三線を購入に行った際には、気に入ったものが見つかるまで長時間付き合っていただき、ありがとうございました。
あれからほぼ毎日練習したおかげで(約2週間)「涙そうそう」が楽譜を見なくても弾けるようになってきました。まだ綺麗な音は出せないでいますが。
2月に結婚式を挙げるので上達したら披露宴で演奏しようかなと密かにたくらんでいます。
(沖縄県 伊豆倉様)
こんにちは!夫婦でお世話になりました森口です!
今回は”1週間で「島人の宝」を弾けるようになりたい!!”なんて無茶な?お願いを笑顔で引き受けて下さったスタッフの皆様に本当に感謝しています。おかげ様で結婚式の余興では大喝采を浴びました…(笑)
それに内地(本州)の友達が他店の通販で人工皮の三線を購入してしまい後悔してました。
やっぱり本皮最高です!ありがとうございました〜。
(沖縄県 森口様)
35年前に亡くなった父が大変三線を愛し楽しんでおりましたので、母親からも再々三線を薦められましたが、
今ひとつ興味が無く現在に至ったのですが、最近、息子が三線を習得することに便乗し一緒に猛練習しております。
三線購入後半月、練習曲は「安里屋ゆんた」「花」「四季口説」「上り口説」で、上達すれば仏前で演奏することが夢です。
(大阪府 山里様)
こんにちは。田中です。
三線を購入してからほとんど毎日、弾いてます。
私の練習時間は、仕事から帰宅した午後5時30分から6時30分くらいまで。
つい、時間を忘れて子供たちの「おなかすいたー」の声で気がつくと7時を回っていたなんてこともあります。
本当はすぐ教室に通いたかったのですが問い合わせたちころ定員いっぱいで欠員待ち。
仕方なく自己流ではありますが、毎日練習し、安里屋ユンタや、ハイサイおじさん、島唄など、なんとか弾けるようになりました。
ただ、やはり一度きちんと基本を習いたいという思いは変りません。
そうしているうちに8月始めに教室から連絡があり、8月末から空きができたので、来てくださいとの連絡。念願の教室に通えることになりました!
現在の目標は、「唐船どーい」です。
そして夢は…
沖縄で美しい海を見ながら三線を弾くこと。
余談ですが、我が家の10歳の娘は夏休み中、私の留守の間、こっそり練習しているらしく、いつの間にやら、大きなのっぽの古時計…が弾けるようになっていました。
なにやらもう一つ、夢が増えそうな予感がします。
(東京都 中田様)
三線が家にきて2ヶ月…。
それほど上達したとは言えませんが、仕事から疲れて帰っても三線をゆっくり弾いていると、不思議にリラックスしてしまいます。
これが三線の魅力の一つなんでしょうかね!三線に出会えて、新垣三線店さんに出会えて良かったです。
ありがとうございました。これから、もう少し弾けるようにコツコツがんばりマス!
(新潟県 本田様)
三線ゆっくりですが練習しています。
弾くたびに愛着がわいていく気がします。
選んでもらってよかった。ありがとうございました。
お店でたくさん練習させてもらった「ハッピーバースデイ」はもうすぐ誕生日の友達に弾いてあげる予定です。
(東京都 富田様)
この前は、三線を買う際、親切にアドバイス等ありがとうございました。
皆さんがお店にある三線一つ一つに愛着が合って大切にされているのが、伝わりました。
いただいた三線はすごくよく響いて、ステキな音になりました。あれから教本とCDを頼りに弾いています。
毎日練習しています。練習というより、お家に帰ると自然に三線を弾く習慣が身についています!!
三線を買って手にしたからには、どんどん弾いて大阪の街でストリートライブをします。
曲数も増やしていきたいと思います。
(大阪府 角様)
段落
素敵な三線ありがとうございました。
毎日とはいきませんが、少しずつ練習しております。
三線の音にひかれ、ようやく自分の三線にめぐり会い、始めの一歩が踏み出せました。
上手とはいかなくてもやってるだけで楽しくなってるところです。
(山形県 木口様)
あなたにお送する強化張り三線はこんな感じの音色です。
三線はスタンダードクラスの40,000円(税抜き)程度のものです。
もちろん、全く同じものはありませんが、参考までにお聴きください。
雰囲気は伝わりましたか?
ちなにみ調弦は低めのキー(2の高さ、A#-D#-A#)であわせました。